「子どもにスマホを持たせるべき?」「ネットトラブルから守るにはどうすればいい?」そんな悩みを持つ保護者に向けて、子どものネット安全対策・ペアレンタルコントロールの設定方法・トラブル事例と対処法まで専門家視点でわかりやすく解説します。
子どものスマホ・ネット利用の現状
総務省の調査では6〜12歳で自分のスマートフォンを持っている割合は42.6%にのぼっています。そのうちSNSを利用しているのは41.8%となっており前年度の調査から5%増加しています。
子どものスマホ・SNS利用が急速に広がる一方でトラブルも増加しています。
警察庁のデータによるとSNSに起因する事犯の被害児童数(18歳未満)は令和6年の1年間で1,486人もの被害者児童が存在します。罪種については不同意性交等・不同意わいせつの被害状況が拡大していることがわかります。そのほか児童買春や児童ポルノ・面会要求等など、SNSを通してさまざまな犯罪に巻き込まれる可能性があります。
子どもがネットで直面する主なトラブル8選
トラブル①:SNSいじめ・誹謗中傷
SNSのグループでのやり取りは外部から見えにくく誤解や悪ふざけがエスカレートして仲間外れや学校でのいじめにつながるケースがあります。グループから強制退会させられる・ブロックしたりグループトークで無視したりする・嫌がらせでスタンプを連投するなどSNSいじめのかたちはさまざまで大人の想像もしないかたちで横行しているのが事実です。
トラブル②:性的被害・不正な画像送信
女子小学生がSNSで知り合った男と親しくなっていくうちに「服を着替えられる?」など言葉巧みに誘導されスマートフォンの無料通信アプリで自分の裸の写真や動画を送信してしまう被害が発生しています。
さらに画像を使った脅迫(いわゆる「セクストーション」)に発展するケースも増加しており、子どもが「送ってしまった」場合は一人で抱え込まず必ず保護者に相談するよう普段から話しておくことが重要です。
トラブル③:ネット上で知り合った人との被害
女子中学生がSNSで知り合った男に無料通信アプリで悩みを相談していたところ言葉巧みに誘い出され加害者の自宅に連れ込まれる誘拐被害も発生しています。
トラブル④:個人情報の流出・身バレ
写真や動画を投稿できるSNSが増えたことで投稿した写真・動画から自宅が特定されてしまうケースがあります。誰が見ているか分からないSNSの場で安易に個人情報が特定できるような投稿は控えましょう。
トラブル⑤:高額課金・ゲーム課金
オンラインゲームの課金システムを理解しないまま大量課金してしまうトラブルが多発しています。一晩で数十万円の請求が来るケースも報告されています。
トラブル⑥:フィッシング詐欺・悪質サイト
子どもはフィッシング詐欺の見分け方を知らないことが多く、偽サイトに誘導されてゲームアカウント情報や個人情報を入力してしまうケースがあります。
トラブル⑦:デジタルタトゥー
未成年者の性的コンテンツはすべて「児童ポルノ法」に違反するため写真を撮ることも所持していることも処罰の対象になります。軽い気持ちで撮った性的な写真がデジタルタトゥーになってしまったり犯罪につながったりしないよう注意が必要です。
トラブル⑧:スマホ依存・睡眠不足
スマホのオンラインゲームやSNSに没頭し日常生活や学業をおろそかにしてしまうケースが多く見られます。睡眠不足・成績低下・コミュニケーション不足など日常生活への影響も深刻です。
年齢別のネット安全対策
小学校低学年(6〜9歳)
この年齢では保護者が管理するのが基本です。
- 子ども専用のデバイスは持たせない(保護者のデバイスを一緒に使う)
- 使用時間は1日30分〜1時間に制限する
- 使用場所はリビングなど保護者の目が届く場所に限定する
- YouTubeはキッズモードを使用する
小学校高学年(10〜12歳)
小学生がSNSを使う主な理由は友達とコミュニケーションをとるためです。徐々に自立を促しながらルールを設けることが重要です。
- ペアレンタルコントロールを設定する
- SNSは使用させない(または保護者と一緒に利用する)
- ゲームの課金は保護者の許可制にする
- 「知らない人とやり取りしない」を徹底する
中学生(13〜15歳)
多くのSNSは自分のアカウントを作れる年齢が13歳以上となっています。SNSの利用が始まる年齢ですが、最も被害が多い年齢層でもあります。
- フィルタリングは継続する
- SNSの公開範囲を「友達のみ」に設定する
- 「ネットで知り合った人とは絶対に会わない」を徹底する
- 定期的に利用状況を一緒に確認する
高校生(16〜18歳)
自律的な判断を育てながらリスクについての対話を続けることが重要です。
- フィルタリングの段階的な解除を検討する
- 個人情報・写真の取り扱いルールを話し合う
- トラブルが起きたら一人で抱え込まず相談するよう伝える
ペアレンタルコントロールの設定方法
iPhoneの場合(スクリーンタイム)
ペアレンタルコントロールでは不適切なコンテンツにアクセスできないようにしたり有害なアプリのダウンロードを制限したりする「フィルタリング」をかけるSNSアプリを使える時間を制限するアプリ内課金の制限をするといったことができます。
設定手順:
- 設定 → スクリーンタイム → 「スクリーンタイムをオンにする」
- 「これは子どものiPhoneです」を選択
- コンテンツとプライバシーの制限をオン
- アプリの制限・コンテンツの制限・通信/通話の制限を設定
- スクリーンタイムのパスコードを設定(保護者だけが知るパスワード)
主な設定項目:
| 設定 | 内容 |
| 休止時間 | 使用禁止の時間帯を設定(就寝時間など) |
| App使用時間の制限 | SNS・ゲームなど各カテゴリの使用時間を制限 |
| コンテンツ制限 | 年齢に合わせた映画・音楽・アプリを制限 |
| 通信/通話の制限 | 連絡できる相手を制限 |
| アプリ内課金を無効にする | ゲーム課金を防ぐ |
Androidの場合(Googleファミリーリンク)
設定手順:
- 保護者のスマホに「Googleファミリーリンク」アプリをインストール
- 子どものGoogleアカウントを作成(13歳未満は保護者の管理下で作成)
- ファミリーリンクで子どものアカウントを管理する設定をオン
- アプリの承認・使用時間・位置情報の確認などを設定
主な機能:
- アプリのダウンロード承認制
- 使用時間の制限・就寝時間の設定
- 子どものリアルタイム位置情報確認
- 不適切コンテンツのフィルタリング
フィルタリングサービスの活用
不適切な情報や危険な出会い等を防ぐためにフィルタリングを賢く利用しましょう。うっかりあるいは故意に危険なサイトにアクセスしないようにコントロールしてくれる便利な機能で出会い系サイトやアダルトサイト暴力的な表現のあるサイトなどを子どもが閲覧できないようにします。なお携帯電話会社では18歳未満のこどもがスマートフォン等を利用する場合にはフィルタリングサービスについての説明や設定を行っています。
主なフィルタリングサービス:
| サービス | 対応OS | 費用 |
| あんしんフィルター(docomo) | iOS・Android | 月220円〜 |
| スマートフォンフィルター(au) | iOS・Android | 月330円〜 |
| ウェブコントロール(SoftBank) | iOS・Android | 月330円〜 |
| i-フィルター | iOS・Android | 月330円〜 |
家庭でのルール作りの重要性
家庭のルールをこどもと一緒に作り成長とともに少しずつ見直していきましょう。ルールを作る際は保護者の一方的な押し付けではなくこどもと一緒になって利用目的や利用場所・時間帯を話し合ってルールを決めることが大事です。
家庭でのルール例:
【スマホ利用のルール(例)】
・使用時間:平日2時間・休日3時間まで
・使用場所:リビングのみ(自室での使用禁止)
・就寝時間:21時以降は充電スタンドに置く
・個人情報:名前・学校・住所・写真は投稿しない
・知らない人:ネットで知り合った人と会わない
・トラブル:困ったことがあればすぐ保護者に相談
・課金:保護者の許可なく課金しない
SNSトラブルで困ったことが起きたとき、すぐ保護者に相談できる雰囲気を作っておくことも大切です。子どもがルールを破るのではないかとそればかり警戒していると子どもは何かあったとき怒られると思って保護者に相談しづらくなってしまいます。
子どもに教えるべきネットリテラシー5か条
1条:個人情報は絶対に投稿しない
名前や顔写真・学校名などは書き込まないようにしましょう。住所・電話番号・学校名・部活動・日常の行動パターンも同様です。
2条:知らない人とは会わない
ネット上でどれだけ仲良くなっても、相手が本当に誰かはわかりません。直接会うことは絶対にしてはいけないことを繰り返し伝えましょう。
3条:一度投稿したものは消せない
デジタルタトゥーの概念を子どもに教えましょう。ネット上に写真が出ると全てを回収することは非常に困難です。そういったことをきちんと自覚し情報の取り扱いには十分気をつけていくことが必要です。
4条:困ったら一人で抱え込まず相談する
トラブルに遭っても「怒られる」「スマホを取り上げられる」と思って相談できない子どもが多いです。何があっても責めないことを普段から伝えておくことが重要です。
5条:ネットでの言葉も現実と同じ責任がある
SNSは匿名で発信することが可能です。特にネット上だと相手の反応が見えないため受け取る側へ配慮がない発言をしてしまうケースがあります。匿名だからといって受け取る側が傷つくような発言をしないように意識しなければなりません。
セキュリティソフトで子どものデバイスを保護する
フィルタリングやペアレンタルコントロールに加えてセキュリティソフトを導入することでフィッシング詐欺・マルウェア・危険サイトへのアクセスを自動ブロックできます。
ウイルスバスターは日本製で子どものデバイス向けのセキュリティ機能が充実しており安心して使えます。
ノートン360は複数デバイスを一括管理できるプランがあり家族全員のスマホ・PCをまとめて保護できます。
楽天市場で買える子どものネット安全グッズ
子ども向けキッズスマホ・見守りグッズ
子どもに最初のスマホを持たせるなら、ペアレンタルコントロールが標準搭載されたキッズスマホが安心です。
スマホスタンド・充電ステーション(就寝時の管理用)
就寝前にリビングのスタンドに置かせる習慣をつけることで夜間のスマホ使用を防げます。家族全員のスマホをまとめて置ける充電ステーションが人気です。
トラブルが起きた場合の相談窓口
| 相談内容 | 相談先 | 連絡先 |
| ネットいじめ・誹謗中傷 | 法務局(人権相談) | 0570-003-110 |
| 性的被害・犯罪 | 警察 | 110または最寄りの警察署 |
| 総合相談 | 子どもの人権110番 | 0120-007-110 |
| 違法コンテンツの削除 | インターネットホットライン | www.internethotline.jp |
| 消費生活トラブル | 消費生活センター | 188 |
よくある質問
Q:何歳からスマホを持たせるべき?
A:必要性と成熟度によって異なりますが、持たせる場合は年齢に関わらずペアレンタルコントロールとフィルタリングの設定が必須です。
Q:フィルタリングをかけると子どもが嫌がる場合は?
A:こどもと一緒になって利用目的や利用場所・時間帯を話し合ってルールを決めることが大事です。フィルタリングの理由を子どもに説明し、一方的な制限ではなく話し合いで決めることが重要です。
Q:子どもがSNSで知り合った人と会おうとしている場合は?
A:絶対に止めてください。まず冷静に話し合い、なぜ危険なのかを説明しましょう。すでに何らかの被害が起きている可能性がある場合は警察に相談することをためらわないでください。
Q:子どもがトラブルに遭ったことを隠している気がする場合は?
A:責めずに「何でも話せる」雰囲気を作ることが最優先です。学校のスクールカウンセラーや子どもの人権110番(0120-007-110)に相談することも有効です。
まとめ
- 子どものスマホ・SNS利用は急速に広がりトラブルも深刻化している
- 年齢に合わせたペアレンタルコントロール・フィルタリングの設定が必須
- ルールは保護者が一方的に決めるのではなく子どもと一緒に考えることが重要
- トラブルが起きたとき相談しやすい環境を普段から作っておくことが最重要
- 「個人情報を投稿しない」「知らない人と会わない」「困ったらすぐ相談」の3つを繰り返し伝える


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